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寛永寺・黒門をイメージした壁泉・・上野公園
2016.7 東京都台東区上野公園南側入り口(広小路)
■広小路側から上野公園に入ってすぐの場所に、2016年6月27日に設置されたばかりの、上品で格式のある涼やかな光景の壁泉が目に飛び込んできます。かつてこの地にあった「黒門」をイメージしています。夕刻6時半からライトアップされています。
●黒門は寛永寺の総門です。かつての上野公園はほぼ全域が寛永寺の境内でした。公園入口付近には「御橋」または「三橋」と呼ばれる橋があって寺の正面入り口となっており、その先に「黒門」がありました。(江戸時代の寛永寺・黒門に向かう花見連・・「東京名所四十八景」「上野黒門花見連」・・都立中央図書館特別文庫室所蔵)
●幕末の上野戦争(慶応4年・1868.5.15)で、最も激しい戦闘が行われたのは、黒門付近です。そのため黒門にも多くの銃弾当たり、門にはその痕が無数に残りました。
焼け残った黒門は明治40年(1907)、東京都荒川区の円通寺に移築されました。円通寺には新政府軍に敗れた、彰義隊(旧幕府軍・・徳川慶喜の警護部隊)の墓所があり、黒門とともに幕末の歴史を今に伝えています。